☆講師紹介

◇吉川 真(よしかわ まこと)氏

講師方の写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)准教授
はやぶさプロジェクトサイエンティスト
はやぶさ2準備チーム長

 1962年、栃木県栃木市生まれ。東京大学理学部天文学科卒業。同大学院卒業。理学博士。 郵政省通信総合研究所を経て、1998年に文部省宇宙科学研究所に異動。専門は天体力学。
 太陽系小天体の軌道解析が専門。人工衛星や惑星探査機などの軌道決定について研究も 進めている。小惑星探査ミッションなど惑星探査ミッションに関わるほか、天体の地球 衝突問題(スペースガード)にも関心を持って、研究や啓蒙活動を進めている。

 

◇吉住 千亜紀(よしずみ ちあき)氏

和歌山大学宇宙教育研究所 研究支援員

 徳島県出身。愛媛大学理学部物理学科卒業後、川崎重工業株式会社にて宇宙関連分野の研究に携わる。
 2001年より徳島県立あすたむらんど子ども科学館に勤務。オープン当初よりプラネタリウムの企画・運営に携わり、小惑星探査機はやぶさをテーマにした「ボクノチイサナオホシサマ」他、多数の番組を制作。
 DVD「祈り」(JAXA制作)のシナリオ原案も担当。2008年より和歌山大学。

講演会までの背景

 城西国際大学加藤観光学部副学部長から、地元鴨川市民との交流を深めるため、夏のイベントを計画しており、そのメインイベントとして講演会の検討要請がありました。丁度当会会員和田氏から旬の「はやぶさ」に大きく携われた吉川真准教授の講演会を企画しようとの提案があり、その提案が城西国際大学殿の要望に一致する形にて本講演会が決定しました。
 更に、はやぶさを発射前からマークし当時勤務していた徳島県アスタムランド科学館のプラネタリウム番組を製作され、最終的にはJAXAとはやぶさプロモーションビデオ「祈り」の製作に関わられた吉住千亜紀先生のオーストラリアへのはやぶさ帰還インターネット中継(和歌山大学)に出張された様子もお話し頂こうということになりました。

はやぶさ2 新聞記事 ポスター1 by 堀内さん ポスター2 by 堀内さん

 城西国際大学加藤副学部長からお話しをいただいたのが6月後半で、本番まで1か月強と時間がない中、両先生に連絡を取り数々の講演予定で埋まっているタイトなスケジュールの中偶然にも8月1日の時間を頂く事ができました。
 今思うと、オーストラリアウーメラ砂漠の予定地点ど真ん中にカプセルを帰還させた技術と同じくらいピンポイントでの日程調整の成立に運を感じさせた講演会計画であったと思います。
 改めて、お忙しい中日程調整を頂きお越しいただいた吉川真先生、吉住千亜紀先生、そしてはやぶさにも協力支援しておられ講演会に駆けつけて頂いた国立天文台国際連携室吉田二美先生(当会技術顧問)に感謝申し上げます。

追記。
 文部科学省・宇宙開発委員会により、「はやぶさ2」の開発が決定されました。上の新聞記事の画像をクリックすると、別のウィンドウが開いて拡大画像がご覧いただけます。
 また、同様に広報用のポスターも拡大画像がご覧いただけます。

☆講演会の様子

 加藤副学部長の司会で幕を開け、城西国際大学石田観光学部学部長のご挨拶、そして鴨川市教育委員会長谷川教育長のご挨拶を頂き、当会事務局から講演者の紹介が行われ講演がスタートしました。
 第一部 最初が吉住千亜紀先生が製作に関わられたJAXAプロモーションビデオ「祈り」の上映を行いました。今回、吉川先生・吉住先生の豪華掛け合い解説をバックにビデオを上映頂きました。お二人にお聞きしたところ、二人での掛け合いは初めてとの事です。元々精密なコンピュータグラフィックによるはやぶさや小惑星イトカワ映像が更に良く理解頂けた事と思います。上映の後、吉住先生のオーストラリアウーメラ砂漠でのはやぶさ帰還を見届けられた際のお話しを伺いました。はやぶさが燃え尽きた後、参加メンバー全員で深呼吸を何度もされたとの事です。燃え尽きたはやぶさの分子を吸い込んで一緒に日本に帰ろうとの言葉に、来場の皆様も深いはやぶさへの想いを感じられたと思います。
 第二部は、吉川真先生によるはやぶさプロジェクトの概要をお話し頂いたが、数々の困難を乗り越え最後のオーストラリアへの帰還に際してはカプセルを予想地点のど真ん中に舞い降ろした高い技術に感銘を与えました。また、地球に突入する直前まで傷だらけのはやぶさが操作不能による最悪の事態を避ける措置を取り続け最後の段階でオーストラリアウーメラ砂漠へ帰還させる判断をされたとの、最後の最後まで緊迫したコントロールをされていた事を伺い深い感銘を受けました。
 吉川先生には、講演後アンケートに記入された質問全てにご丁寧なお答えを頂きました。はやぶさカプセル公開やはやぶさ2準備チーム長、そして大学授業等々とお忙しい中、ありがとうございました。

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☆講演会動画

・城西国際大学 石田観光学部学部長・鴨川市教育委員会 長谷川教育長 ご挨拶

・吉川 真 准教授 1/4

・吉川 真 准教授 2/4

・吉川 真 准教授 3/4

・吉川 真 准教授 4/4

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☆講演会資料

吉川 真准教授から提供頂いた資料です。ここをクリックするとご覧頂けます。

吉住 千亜紀研究支援員から提供頂いた講演会で使用されたプレゼン資料です。ここをクリックするとご覧頂けます。

☆アンケートに寄せられたQ&A

来場者の皆さんからの質問に、講師の吉川先生吉住先生から回答を頂きました。お忙しい中、どうもありがとうございました。

Q1. 軌道計算とは何ですか?

Q2. ミネルバはどこにいるんですか?回収はできないのですか?

Q3. トラブル発生時の解決までのプロセスを教えてください。全員の会議、プロマネ決定、若手に任せる面は大きいのですか?

Q4. 吉川先生は子供の頃、どんな子供でしたか?勉強は好きでしたか?何をして遊ぶのが好きでしたか?(小6、小4、小1の母より)

Q5. 宇宙人はいると思いますか?アポフィスから地球は助かりますか?

Q6. 「はやぶさ」は24時間誰かが見張っていたのですか?

Q7. 「はやぶさ」命名の由来はなんですか?

Q8. イトカワはどのように発見され、またどのような条件でイトカワが探査の対象として選ばれたのですか?

Q9. オーストラリアに着いた時、カプセルにひびが入っていたら何故消毒しないといけないのですか?

Q10. イオンエンジンの原理が知りたいのですが。

Q11. リアクションホイールが海外製らしいですが、日本で作成することは出来ますか?

Q12. プロジェクトに実際にかかわった方のお話が聞けて大変興味深かったです。通信が途絶えた後に復活するという大変劇的な過程がどうだったのかさらに知りたいと思いました。

Q13. 化学エンジンとイオンエンジンの大まかな違い、速度の違い、コントロールする技術について教えて下さい。

Q14. 太陽フレアって何ですか?何か影響はあるんですか?

Q15. 打ち上げから帰ってくるまで、こんなに長い年月が必要だったのでしょうか?

Q16. 10年以上かかるこの様なプロジェクトはどの様にして進められたのでしょうか?

Q17. ウーメラ砂漠に着地したカプセルは、あの青い無風の場合の予想地のどのへんだったのでしょうか

Q18. 帰還時にどのようなことを想いましたか?

Q19. はやぶさが故障しなかった場合は、再度任務があったのですか?

Q20. カプセルの中にイトカワの物質が有った場合、最も期待したい解析結果とその成果は何ですか?

Q1. 軌道計算とは何ですか?(鴨川市 男性 70代)

軌道計算には2つあります。
1つは、探査機が今後どのように飛行したらよいかの計画を立てるもので、軌道計画(または、軌道設計)と呼びます。探査機が目的地に到着するために必要な計算です。計算された計画に従ってエンジンを動かしたりして、軌道を変更していくことになります。
もう1つは、現在、探査機がどこにいるのかを決めることで、軌道決定と呼びます。軌道決定によって予定の位置と実際の位置との違いが分かり、その情報をもとに軌道計画で今後の運用を決めることになります。

Q2. ミネルバはどこにいるんですか?回収はできないのですか?(鴨川市 女性 30代)

ミネルバは、イトカワ表面に落ちることなく飛び去ってしまいました。
ただし、軌道としては、イトカワに似た軌道にあります。つまり、イトカワと似た軌道に沿って、太陽の周りを回っています。どこを飛行しているかはすでに分からなくなっていますし、そもそも回収することはできません。

Q3. トラブル発生時の解決までのプロセスを教えて下さい。全員の会議、プロマネ決定、若手に任せる面は大きいのですか?(鴨川市 女性 30代)

トラブルの種類によって異なります。ただし、最終的な判断はプロジェクトマネジャーが下します。
トラブルが起こると、まずそのトラブルに直接関係する担当者が詳細を検討します。次に、そのトラブルの対応に関連するメンバーで議論を行います。そして皆が納得すると処置に移るわけです。
トラブルに関連するメンバーで議論を行うので、必ずしも全員で議論するとは限りません。また、議論をするときに若手かベテランかは特に区別はありません。

Q4. 吉川先生は子供の頃、どんな子供でしたか?勉強は好きでしたか?何をして遊ぶのが好きでしたか?
(小6、小4、小1の母より)
(鴨川市 女性 40代)

小学校に入る前は、特に昆虫が好きでした。
基本的に、理科的なことが好きで、小学校の中学年くらいからは、望遠鏡を買ってもらって星を見ていました。勉強については、“普通”です。
小さいときには、虫取りなどをして遊んでいましたが、小学校高学年のときは何をして遊んでいたかあまり記憶がありません。ただ、何かものを作ったり(工作)することも好きでした。
ちなみに、中学になってからは、バレーボール部、高校では山岳部に入っていました。特に高校では、夏山、冬山ともに登っていて、山ばかりでした。

Q5. 宇宙人はいると思いますか?アポフィスから地球は助かりますか?(鴨川市 男性 10代)

宇宙人は、宇宙のどこかにいると思います。地球人が地球にいるのと同じように。ただし、UFOと言われているものに宇宙人が乗っているというのはウソだと思います。
アポフィスは、近い将来(今後50年くらい)に地球に衝突する可能性はほとんどないです。
また、天体の地球衝突について考えるスペースガードの活動が進んできていますから、将来的にはアポフィスくらいの天体の地球衝突は避けることができるようになると思います。

Q6. 「はやぶさ」は24時間誰かが見張っていたのですか?(鴨川市 女性 30代)

重要なとき(打ち上げ、地球スイングバイ、小惑星到着、タッチダウン、地球帰還)については、24時間体制で「はやぶさ」と通信をしていましたが、それ以外は、日本から「はやぶさ」と通信ができる時間帯(1日あたり8時間程度)のみ「はやぶさ」の運用をしていました。
24時間体制のときには、アメリカの深宇宙通信局に協力してもらっていました。

Q7. 「はやぶさ」命名の由来はなんですか?(鴨川市 女性 30代、佐倉市 女性 40代)

「はやぶさ」が小惑星の表面物質を採取するときに、表面にさわった瞬間に弾丸を撃ち、そしてすぐに表面から離れます。これはあたかも、鳥のハヤブサが獲物をさっと捕る様子に似ているので、「はやぶさ」と名付けられました。

Q8. イトカワはどのように発見され、またどのような条件でイトカワが探査の対象として選ばれたのですか?(南房総市 女性 60代)

イトカワは、アメリカのリニアという小惑星観測チームが発見しました。リニアプロジェクトは、地球に接近する小惑星を多数発見しています。
「はやぶさ」は、もともとは別の小惑星に行く予定でしたが、M-Vロケットの打ち上げ失敗があり、ロケットを改修する必要が生じて、打ち上げが延期されました。そのために、最初に予定していた小惑星には行くことができなくなりましたが、たまたまイトカワという小惑星が「はやぶさ」が行って帰ってこられる軌道を持っていたのです。それで、イトカワが選ばれました。
ただし、「はやぶさ」が打ち上げられた2003年5月の時点では、まだイトカワという名前は付いていなくて、1998 SF36という仮符号で呼ばれていました。「はやぶさ」が打ち上げられた後、「はやぶさ」チームからリニアプロジェクトに「イトカワ」という名前を提案して欲しいとお願いをしました。リニアプロジェクトは快く了解してくれて、国際天文学連合に「イトカワ」という名前を提案してくれまして。それで、「はやぶさ」の探査ターゲットの小惑星の名前がイトカワになりました。
イトカワは、日本のロケットの生みの親である糸川英夫博士にちなんでいます。

Q9. オーストラリアに着いた時、カプセルにひびが入っていたら何故消毒しないといけないのですか?(鴨川市 女性 20代)

実際にはあり得ませんが、小惑星イトカワに何か悪い細菌がいたとして、カプセルにひびが入っているとそれが地上にばらまかれてしまうことを恐れています。念のため消毒をしておくということです。

Q10. イオンエンジンの原理が知りたいのですが。(鴨川市 男性 60代)

「はやぶさ」のイオンエンジンでは、キセノンというガスをイオン化します。キセノンの原子から電子を取って、プラスの電気を持ったイオンにするわけです。プラスの電気を持った粒子は、マイナスの電気の方に引かれますから、イオン状態のキセノンに電圧をかけて、加速するのです。加速されたイオンが探査機の外に噴射され、探査機を加速していくことになります。ただし、このままでは、探査機にマイナスの電気(電子)がたまってしまうので、同時に電子も放出して探査機に電気がたまらないようにしています。

Q11. リアクションホイールが海外製らしいですが、日本で作成することは出来ますか?(鴨川市 男性 30代)

はい、日本でも製作しています。

Q12. プロジェクトに実際にかかわった方のお話が聞けて大変興味深かったです。通信が途絶えた後に復活するという大変劇的な過程がどうだったのかさらに知りたいと思いました。(鴨川市 男性 40代)

今回は、通信が途絶えたとき、その理由が推定できていました。それは、燃料漏れによって、探査機の姿勢がおかしくなってしまって、太陽電池のパドルに太陽の光が当たらなくなり、発電が止まってしまったためです。
したがって、待っていれば、太陽電池に再び太陽の光が当たり出す可能性があり、そうすると発電が始まって、探査機が再起動すると考えていました。ですから、そのときが来るのをじっと待っていたのです。
結果的には、7週間後に「はやぶさ」からの電波を受けることができました。

Q13. 化学エンジンとイオンエンジンの大まかな違い、速度の違い、コントロールする技術について教えて下さい。(鴨川市 男性 50代)

化学エンジンは、燃料を燃やしてそのガスが高速で吹き出すことによって探査機を加速します。イオンエンジンの方は、上記の説明(Q10.)の通りです。
化学エンジンは、短時間に速度を変化させることができるのに対して、イオンエンジンの方は推力は弱いので、長時間ずっと運転をして少しずつ軌道を変えていくことになります。

Q14. 太陽フレアって何ですか?何か影響はあるんですか?(鴨川市 女性 10代)

太陽フレアとは、太陽表面での爆発現象で、フレアが起こると、高エネルギーの電磁波(X線など)や高エネルギー粒子が発生して、宇宙空間に飛んでいくことになります。
このようなものが探査機に当たると、探査機の回路を壊したり、データに異常を起こしたりします。
探査機や人工衛星を運用している人は、太陽フレアを非常に気にしています。

Q15. 打ち上げから帰ってくるまで、こんなに長い年月が必要だったのでしょうか?(館山市 女性 60代)

惑星などの太陽系天体まで出かけるのは、距離が遠いのでやはり時間がかかります。月以外では、最も短い時間で行けるのが金星ですが、それでも半年くらいはかかってしまいます。
イトカワに行くには、1年くらいかかるのですが、「はやぶさ」では、地球スイングバイを利用したので、さらに1年余計にかかります。結局、小惑星到着まで2年4ヶ月かかっています。
当初の予定ではイトカワには、3ヶ月間滞在して、その後、1年半くらいかけて地球に戻る予定でした。合計すると4年1ヶ月のミッションです。
実際には、トラブルがあったので、3年間延長されてしまって、合計7年1ヶ月のミッションとなりました。
ちなみに、3年間の延長というのは、延長する場合には最低3年間となってしまうためです。これは、「はやぶさ」が地球に戻ってくるときの太陽に対する地球の位置はほぼ決まっていて大きく変更することはできないためです。
地球は太陽の周りを1年で回っていますが、「はやぶさ」の方は、ほぼ1年半で太陽の周りを1周しています。つまり、一度、地球に帰還するタイミングを逃すと、3年後にならないと同じタイミングが巡ってこないことになります。

Q16. 10年以上かかるこの様なプロジェクトはどの様にして進められたのでしょうか?(佐倉市 女性 50代)

太陽系小天体からのサンプルリターンをしようというアイディアは、1985年くらいから議論が開始されました。25年も前のことです。その後、MUSES-Cという名称でプロジェクトがスタートしたのが1996年頃ですからプロジェクトスタートからも14年経っています。
当初から、川口淳一郎教授をプロジェクトマネジャーとして、宇宙科学研究所の研究者と各メーカーの技術者等が中心となって、プロジェクトを進めてきました。
特に運用期間が7年間と長かったですが、ほぼ毎日(1週間当たり1日か2日程度休むこともありましたが)、「はやぶさ」の運用が続きました。この運用には、1週間単位でミッションのメンバーが交互に担当しました。
また、大学院の学生にも積極的にミッションの手伝いをしてもらっています。

Q17. ウーメラ砂漠に着地したカプセルは、あの青い無風の場合の予想地のどのへんだったのでしょうか?(佐倉市 女性 50代)

真ん中近くです。

Q18. 帰還時にどのようなことを想いましたか?(鴨川市 男性 50代)

“ついに戻ってきたか”と感慨深かったです。また、ミッションが達成されて、ほっとしました。
ただ、「はやぶさ」が燃え尽きる様子を見て、ちょっと悲しくなりました。
打上げ前から見守ってきた「はやぶさ」なので、泣くかな?と思っていたのですが、実際にオーストラリアの荒野で「はやぶ さ」の最期の輝きをみたとき、とにかく帰ってきたことが誇らしく、うれしかったです。そしてとけてしまった「はやぶさ」の 分子が空気にまざっているだろうということで、みんなで深呼吸しました。1個くらいは吸い込めたでしょうか。(苦笑)
また、講演会の翌日、筑波宇宙センターにカプセルの展示を見に行きました。「はやぶさ」の形見を見ることができ、私の中でひとつの区切りができたような気がしました。

Q19. はやぶさが故障しなかった場合は、再度任務があったのですか?(鴨川市 男性 50代)

地球に衝突するのを避けて、うまい具合に地球スイングバイをして別の小惑星に接近できればよいと考えていました。接近できれば、写真が撮影できるからです。
ただし、化学エンジンが使えなくなった段階でこれは無理であることが明らかになりましたので、詳しい検討は行いませんでした。

Q20. カプセルの中にイトカワの物質が有った場合、最も期待したい解析結果とその成果は何ですか?(鴨川市 男性 50代)

惑星が生まれた頃(約46億年前)にあった物質が確認できればすばらしい成果だと思います。我々の地球を形作った元の物質がどのようなものであったのかが分かるからです。

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☆星空観望会の様子

 はやぶさ講演会に併せて、会場となった城西国際大学観光学部の入り口前の広場では、鴨川市に天文台をつくろう会による星空観望会が行われました。
 天体望遠鏡を設置し、参加して下さったみなさんに天体写真などの参加記念品を配布しました。
 あいにく天気が悪く、本物の星空は望めませんでしたが、星空談義などを参加者の皆さんと楽しみました。
 星空観望会やまちかど観望会のスケジュールは、本ホームページ左サイドメニューの「カレンダー」に掲載されています。
 まちかど観望会は、安房鴨川駅西口ロータリーで原則毎月1回開催しています。どなたにでも気軽に無料で天体望遠鏡を覗いて頂いています。
 どうぞ、鴨川の空に輝く星の美しさに驚き、宇宙を身近に感じ、楽しんで下さい。

星空観望会1 星空観望会2 星空観望会3

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☆アンケート集計結果

 会場は、ほぼ満席(200席)となる来場者を迎えることができました。その内訳をみると次の通りです。
@ 住居:鴨川市内(70・8%) 県内他市(24・6%) 千葉県外(4・6%)
A 世代:小学生(15・4%) 中高生(6・9%) 他(77・7%)
B 鴨川市への来訪目的:観光(3・1%)  講演会(96・9%)
C 性別:男性(58・5%)  女性(42・5%)

このことから見えることは
@ 男性女性を問わず、話題性のある興味・関心の高い講演内容であることが伺えます。
A 市内からの来場者の占める割合を考えると、「鴨川市に天文台をつくろう会」としては、本市で開催した意義は大きいものがあると推測されます。宇宙・天文への興味の現れとして今後の活動の後押しをいただいた感があります。
B 市内中心部からやや離れた会場にも関わらず、県内及び県外からもこのように講演会を目的に参加されたことや小中学生の参加があったことを考えると、改めて本講演内容への関心の高さが伺えます。合わせて広報の賜物と考えられます。
C 小中学生の参加が22%あり、子どもたちに夢を育む活動の一環が展開されたものと思われます。
D 対象者をどこにおくかという視点から講演会のあり方はいろいろ考えられます。その一つとして、教育・文化の発信地としての鴨川市として考えると、それなりの発信はできたものと考えられます。特に、開催時刻については、昼の活動が終了した市内在住や観光客の集客という点では適切であったかと思われます。次代を担う子どもたちの夢を育てるという視点から考えると、一人でも多くの子どもたちの参加のし易い時刻、会場の検討は求められます。合わせて、学校教育との連携という点から考えると学校を通した案内の充実等時間的に余裕があったらなお良かったと考えられます。
E ご夫婦での参加や家族連れの参加等が多数あり、家庭で話題を共有する姿が伺えます。

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☆関連リンク

JAXA小惑星探査機「はやぶさ」物語 吉川准教授のビデオ・メッセージです。

和歌山大学宇宙教育研究所 吉住先生の所属されている研究所です。

JAXA 小惑星探査機「はやぶさ」物語 『祈り』 講演会で上映されました。

カプセル

7年ぶりに地球に帰還した「はやぶさ」のカプセル→

提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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